地方移住に活用できる国や自治体の支援金について【地方創生移住支援金】【地方創生起業支援金】

その他

地方に移住する際、国や移住先の地方自治体から支援金をもらえることがあります。移住にはお金がかかりますし、仕事を始めるとしても、少しでも資金を手元に確保したいと思います。

そんなときに、国や自治体から支援があれば助かりますね。今回は、国の支援の仕組みについてご説明します。

地方へ移住する場合(地方創生移住支援事業)

  • 概要

東京23区に住んでいるか通勤している人東京・埼玉・千葉・神奈川以外の地方に移住し、地方の中小企業等へ就業や起業する場合に受けることのできる支援金です。最大100万円まで支援※してもらえます。
※単身の場合は最大60万円

  • 詳細

東京23区に在住または通勤する人が、いわゆる東京圏外へ移住し、起業や就業等を行う場合に、都道府県・市町村が共同で交付金を支給する事業です。
一部の都道府県・市町村では実施していないケースがあります。
交付金額は、 世帯の場合は100万円以内(18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は18歳未満の者一人につき最大100万円を加算!)、単身の場合は60万円以内で都道府県が設定する額です。

  • 東京圏とは?
    東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県のことを指します。
    ただし、都内などでも過疎化が進んでいるなど一定の地域については、「条件不利地域」として東京圏から除外=支援の対象となります。
  • 条件不利地域とは?
    条件不利地域は、以下が指定されています。23区からこの市町村への移住は、交付金の対象となります。
    東京都:檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ケ島村、小笠原村
    埼玉県:秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、神川町
    千葉県:館山市、旭市、勝浦市、鴨川市、富津市、南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、東庄町、九十九里町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町
    神奈川県:山北町、真鶴町、清川村

移住支援金の対象

対象者の条件などは以下のとおりです。

項目条件
対象者・移住直前の10年間に通算で5年以上かつ直近1年以上、東京23区内に在住または東京圏(条件不利地域を除く)から東京23区へ通勤していた人
(東京23区内の大学等へ通学し、東京23区内の企業等へ就職した人は、対象期間に加算が可能)
移住先東京圏外、または東京圏のうち条件不利地域の市町村に移住
仕事・移住先で、以下の①~④のどれかに該当していればOKです。
①地域で中小企業等へ就業
→移住支援金の対象として都道府県のマッチングサイトに掲載されている求人に就業すること
※例えば、長野県の場合はこのようなサイトに掲載された求人です。
→または、プロフェッショナル人材事業か先導的人材マッチング事業を利用して就業すること
※例えば、長野県の場合はこのようなサイトに掲載された事業です。
②テレワークにより移住前の業務を継続
自己の意思によって移住し、移住先で移住前の業務を引き続き行うこと
③市町村ごとの独自要件
市町村が地域や地域の人々と関わりがある者=関係人口として認める要件を満たすこと(要件は市町村によって異なる)
④地域で起業
1年以内起業支援金(地方創生起業支援事業のこと。以下で説明します)の交付決定を受けていること
受給移住して就業等したのち、移住先の市町村へ申請し、市町村より移住者に移住支援金を支給
申請期間・移住支援金の申請が、転入後3か月以上1年以内であること
その他の条件申請した後5年以上継続して移住先市町村に居住する意思があること
※諸条件の詳細は都道府県によって異なります。移住先の都道府県の要件を必ず確認してください。

 出典リンク ⇒ 内閣府 移住支援金

移住して起業する場合(地方創生起業支援事業)

  • 概要

地域の課題に取り組む「社会性」「事業性」「必要性」の観点をもった起業等(社会的事業)を行った場合にもらえる支援金です。最大200万円まで支援してもらえます。なお、起業の形態として、法人でなく個人としての起業(個人事業主)でも支援の対象となります。

  • 詳細

都道府県が、地域の課題解決に資する社会的事業新た起業等する方を対象に、起業等のための伴走支援と事業費への助成最大200万円)を通して、効果的な起業等を促進し、地域課題の解決を通して地方創生を実現することを目的とした事業です。
具体的な事業としては、例えば、①子育て支援や②地域産品を活用する飲食店、③買い物弱者支援、④まちづくり推進など、地域の課題に応じた幅広いものが想定されます。
都道府県が選定する執行団体が、計画の審査や事業立ち上げに向けた伴走支援を行うとともに、起業等に必要な経費の2分の1に相当する額を交付します。

起業支援金の対象

対象者の条件などは以下1・2のいずれかです。なお、東京圏や条件不利地域などの要件は移住支援金と同様です。

条件内容
1.新たに起業する場合・以下のア~ウすべてを満たすことが必要です。
東京圏以外の道府県または東京圏内の条件不利地域において社会的事業の起業を行うこと
.交付決定日以降、補助事業期間の完了日までに、個人開業届または法人の設立を行うこと
起業する場所の都道府県内に居住していること、または居住する予定であること
2.事業承継または第二創業する場合・以下のア~ウすべてを満たすことが必要です。
東京圏以外の道府県または東京圏の条件不利地域において、Society5.0関連業種等の付加価値の高い分野で、社会的事業を事業承継又は第二創業により実施すること
.交付決定日以降、補助事業期間の完了日までに、事業承継または第二創業を行うもの
本事業を行う都道府県内に居住していること、または居住する予定であること
※諸条件の詳細は都道府県によって異なります。移住先の都道府県の要件を必ず確認してください。

出典:内閣府 起業支援金

支援金などの申請方法

支援金を受けるにあたっては、市町村などへの以下の申請書のほか、起業する場合は法人設立など、様々な書類作成と提出が必要となります。
また、自治体ごとに独自の支援金を交付する場合も少なくありませんが、その場合も申請書の準備が必要です。

加えて、支援を受けた場合は、実績報告として事後的に報告書類の作成と提出も必要となってきます。

なお、交付申請は「移住してから1年以内」かつ「就業後または創業支援金の交付決定から1年以内」に、移住先市町村の窓口に対して行います。移住後に申請することに留意してください。

★市町村等への提出が必要な申請書 添付書類(例)

書類内容
1.申請様式等・移住支援金交付申請書 兼 実績報告書
・個人情報の取扱いに関する同意書
・移住支援金の交付申請に関する誓約書
2.写真付き身分証明書・運転免許証 等
3.移住支援金の振込先を確認できる書類・預金通帳の写し 等
4.移住元での通算5年以上及び
移住直前連続1年間の在住の証明書類
・戸籍の附票の写し、住民票の写し、住民票の除票の写し 等
5.移住後の就業または創業の状況を確認できる書類・移住後の就業先企業等が交付した「就業証明書」または「要件証明書」
・創業支援金の交付決定通知の写し
6.2人以上の世帯で移住したことの証明書類
※「世帯」区分で申請する場合
・戸籍の附票の写し、住民票の写し、住民票の除票の写し 等
7-1.移住元での通算5年以上および
移住直前で連続1年間就労していたことを証明する書類

①雇用保険の被保険者の証明書類
・就業先企業等の在籍証明書 等
・離職票、雇用保険の被保険者証、雇用保険加入履歴の証明 等
7-2.
②事業を営んでいたことの証明書類
・法人登記簿謄本、開業届(控え)、開業届提出済証明書 等
・個人事業等の納税証明書・確定申告書(控え) 等
7-3.
③大学等に通学していたことの証明書類
・卒業証明書 等
8.その他県・市町村が必要と認めた書類

移住体験について

移住する場合、自分の知っている場所でなければ、あらかじめ移住体験を行っておいた方が無難です。その土地のショッピングなどの生活環境のほか、空気感を知っておくことも、移住後に「失敗した」ということがないための予防となります。

全国の自治体では、移住希望者のための移住体験の施設を用意しているケースが多いです。
地方への移住などを支援している一般社団法人 移住交流推進機構JOINでは、全国の自治体の移住体験の情報をホームページでとりまとめています。
移住希望先でも移住体験を実施しているかもしれませんので、ぜひ活用してみてください。

 参考リンク先 ⇒ 一般社団法人 移住交流推進機構JOIN 移住・体験

参考:事業承継等への支援ついて

上記の起業支援金の項目でも触れましたが、新規に起業する以外にも、事業承継等についても支援が予定されています。

地方では後継者を募集したい中小企業の経営者もたくさんいます。詳しくは、以下のサイトで紹介されています。


既存の中小企業等の事業承継などについては、国が「事業継承・引継ぎ補助金」などの補助事業を用意しています。

この補助金の要件として、承継者が自ら申請する、認定された支援機関の確認を受ける必要がある、などありますが、補助枠は600万円~と大きいものですので、活用について、専門家等に相談しても良いかと思います。

まとめ

地方移住に伴う支援金についてご説明しました。個人に対する支援としては、金額も大きめであり、せっかくですので移住する際には活用したいですね。
申請にあたっては、ぜひ行政書士などの専門家にご相談し、受けられる支援をしっかり受領ようにしてください。

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