地方への移住、考えただけでワクワクしますね。
しかし、実際には生活するわけですから、どのような仕事に就くのかを予め考えておかなければなりません。
今回は、地方に移住した人の多くが選択した、「転職する」「起業する」「就農する」を3つのパターンを取り上げ、どうすればその仕事に就けるのかについて解説します。
なお、移住に際しては、国の地方創生移住支援金を活用すると、最大100万円の援助を受けることもできます。
転職
最もオーソドックスな方法として、現在の仕事を辞め、地方に移住し転職する方法です。仕事の探し方として、以下をご紹介します。
1 ハローワークで探す
求人を探すには、ハローワークが最も活用しやすいですが、移住先のハローワークに何度も出向く必要があり、現実的ではないかもしれません。
そんな人のため、東京の飯田橋にあるハローワークでは、UIJターンを希望する人向けに特別のコーナー「地方就職支援コーナー」を設け、求人を案内しています。アクセスはこちらです。 ⇒ハローワーク飯田橋
ハローワークのサイトでも求人情報を得られますので、直接訪問しなくても大丈夫です。
⇒ハローワークインターネットサービス
ハローワークで紹介してもらった就職先に就業する場合、雇用保険の受給資格者の人は、面接等で移動する場合の移動費(「広域求職活動費」といいます。移動費以外に宿泊費も対象です)、移住にかかる移動費(「移転費」といいます。家族の移動費も対象です)を受給することができます。
要件は以下のとおりです。
⇒ハローワークインタネットサービス 就職促進給付
移動費を補填してもらえるのは本当にありがたいですよね。
2 自治体のサイトで探す
各自治体ではそれぞれ特設のサイトを作り、地元企業の求人を掲載するなど、移住希望者と地元企業とのマッチングに取り組むケースがあります。例えば長野県は、移住希望者向けの特設サイトを作っており、このサイトでは仕事から住まいまで様々に検索することができます。
⇒長野県の移住ポータルサイト
勿論、他の自治体でもこのようなサイトを作成しています。移住希望先が具体化できているようでしたら、ぜひ検索してみてください。
また、地方移住を推進する「一般社団法人 移住・交流推進機構JOIN」では都道府県の窓口をサイトでまとめて掲載しており、検索可能ですので、ぜひ移住希望先の自治体を確認してみてください。
⇒一般社団法人 移住・交流推進機構JOIN お仕事情報
国は、東京23区内に住んでいるか東京23区内で仕事をしている人が地方へ移住することを促進するため、特設のサイトを作り、民間企業と連携した取り組みを進めています。「ふるさと求人」と題されたこの取り組みを利用し、地方の求人に応募して就職すると、最大100万円の地方創生移住支援金の援助を移住先の自治体から受給することができます。
東京23区内に住んでいるか、23区内で仕事をしている人は、ぜひ活用を検討してみてください。
4 番外編
地方で仕事をする場合、現在の仕事をテレワークでそのまま続けるという方法があります。テレワークするために地方移住する人は増えており、自治体なども引っ越しの資金を援助したりといった取り組みを進めています。
以下のサイトでは、地方でテレワーク可能な場所の紹介などを行っています。
⇒地方創生テレワーク
事業を始めたい(起業、開業)
地方では自分が望む就職先がない場合も多いため、自分から新しく事業を始める人もいます。例えば、自分のこれまでの経験を活かした仕事を個人で始めたり、会社を設立して事業化するという選択肢もあり得ます。
新しく事業を始めたいと考えている人は、新規に事業を始めることに対して資金面やノウハウ面で支援している自治体等も多いため、まず移住を希望する地域の自治体や商工会議所などのホームページを確認し、情報収集することが重要です。
また、国は、地方創生起業支援金という仕組みを作っており、特定の事業の起業に対して最大200万円の助成を受けることが可能です。この支援金は、特定の条件で移住する場合に活用できる地方創生移住支援金と併せて活用することもでき、その場合、最大300万円まで支援を受けられます。
また、「一般社団法人 移住・交流推進機構 JOIN」のサイトでは、起業する際に自治体から出される支援金なども調べることができます。
⇒2023年度版
他の起業だけでなく他の支援策は以下のページで検索可能です。
⇒自治体支援制度検索
何らかの支援を受けられれば、地方の起業に大きなプラスになりますので、ぜひ確認してみてください。
農業を始めたい(就農)
地方で心機一転、農業を始めたいと考えている人も多いのではないかと思います。
農業を始めるといっても、農業一本で生活する=就農するということと、他の仕事をしながら農業も行うということでは、アプローチがずいぶんと異なります。
農業を仕事にしたいと考えている人は、まず、農業技術の習得や農地確保が必要になります。農業を始めるにあたって、農林水産省はさまざまな支援を行っていますが、例えば、農業を始めることについてライトな気持ちで考えることができるホームページが、農水省のサイトに「あふてらす農林漁業はじめるサイト」と題して掲載されています。
また、農水省の補助事業として(一社)全国農業会議所が運営している「農業を始める.jp」には、就農についての情報がかなりしっかりまとめられており、情報収集に最適です。このサイトでは、就農から農地を探すところまで調べることができ、とても重宝します。
このほか、各自治体のホームページなどでも就農についてのページが掲載されています。気になる都道府県や市町村で就農についての情報発信がないか、検索してみると良いでしょう。
さらに、農業を始めたいけど何から手を付ければ良いか分からないという人のために、「新・農業人フェア」という、農業の情報を直接、農業に従事する人から知ることのできる大規模イベントも開催されています。ここでは、就農についての具体的な支援(融資など)に関しても情報を集めることができます。
農林水産省が行っている支援として、道府県などが認める農業大学校や先進農家などの研修期間で研修を受ける就農希望者に、就農前の研修を後押しする資金として月12.5億円(年間最大150万円で最長2年間)援助する就農準備資金という制度もあるなど、就農を後押ししています。経営開始のための資金についても援助を受けることができます。
就農ではなく、地方で他の仕事をしながら農業も行いたいということであれば、兼業農家として農業の勉強をしても良いかもしれません。兼業農家になりたい人向けの民間の学校(農家さんが営む研修センター)もあったりします。なお、実際の兼業での就農については、移住先で貸し農園を探して利用するという方法もあります。
参考:地域を体験しながら仕事をしたい~地域おこし協力隊について~
好きな地域でゼロから生活を始める場合、その地域がどのようなところなのか、仕事をしながら(お金をもらいながら)体験できるといいですね。そんな人には、国の仕組みである地域おこし協力隊の制度を活用するのがおススメです。
地域おこし協力隊とは、総務省が実施する、地方への移住を促進させるための制度で、地方に移住して給料をもらいながら地域活性化に取り組むことができるという制度です。一般社団法人 移住・交流推進機構のサイトにも詳しく掲載されています。
令和4年度で6500名あまりの隊員(地域おこし協力隊員)が全国で活動していますが、総務省では地方への新たな人の流れを創出するため、この隊員数を令和8年度までに10,000人とする目標を掲げています。
なお、地域おこし協力隊は各自治体ごとに募集しており、自治体によって仕事の内容や報酬額が違うため、各自治体のホームページで地域おこし協力隊について確認してみましょう。
まとめ
地方に移住するためには、仕事をどうするかを考えておくことが必須です。自治体などで就業支援に関する様々な情報を発信しており、この中には、何らかの資金的な助成も含まれていたりします。
まずはインターネットを活用し、気になる地域の地元自治体や公的機関のホームページを閲覧し、就業に関する情報収集を進めてください。就農する場合は、地元自治体等から手厚い支援を受けられるケースが多いです。
実際の移住先での就業にあたっては、あらかじめ様々な手続きを行っておくことも必要となります。
よく調べ、困ったら移住の専門家にも相談することもおススメです。万全な移住ライフを実現するため、ぜひ十分に情報収集してくださいね。