地方への移住について、ご関心はありませんか。
少し前から、都会の喧騒の中での人間疲れや、自然ともっと触れ合って生活したいという人のニーズから、地方への移住がひそかな話題となっていました。
少子高齢社会が到来したことで、国も本腰を上げ、「地方創生」を旗印に、都会在住の人々が地方にスムーズに移住するための後押しを進めています。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、リモートワークが普及したことなどを背景として、地方にいながら、都会で元々行っていた仕事ができる環境も整いつつあります。
漠然とした「移住したい」の気持ちを少しでも心に秘めているのであれば、まずはどんなことを考えなければいけないのか、どう準備していく必要があるか、関心をお持ちではないかと思います。
地方移住に失敗して後悔しないよう、準備しなければならないことをまとめてみました。
もし地方の暮らしが気になっているようでしたら、まずは気楽な気持ちでここからの記事を読んでみて、地方移住について少し考えてみては如何でしょうか。
Contents
ステップ1:移住したい気持ちを深掘りしてみる
まず第一歩目として、移住したい気持ちはどこから来るのか、少しだけ深掘りしてみましょう。
例えば、
・ 慌ただしい都会の仕事から離れ、自然の中でゆっくり暮らしたい
・ 都会ではなく落ち着いた環境で子育てしたい
・ 子どもの頃育ったあの町に帰りたい
・ 旅行してこの地域が好きになった
などなど、改めて考えてみると、いろいろと浮かんでくるのではないかと思います。その中で、地方移住への想いが強いのであれば、実際に移住先を検討してみましょう。
ステップ2:おおよその移住先をしぼってみる
次に、ざっくりと移住先の地域をしぼってみましょう。もしかすると、すでに心の中に決めた移住先があるかもしれません。そんな方はステップ3へどうぞ。
移住先が漠然としているのであれば、自分の移住したい気持ちに適した地域を探すことが重要です。
観光地を紹介しているサイトを見ているだけでは、実際にその地で生活するイメージが湧きにくいものですので、地方移住を専門に扱っている以下のようなサイトを活用し、イメージと合う地域を探してみてください。
1 ニッポン移住・交流ナビ
地方移住を希望する人に向け、全国各地から発信される地域の魅力を紹介したサイトです。自治体の情報が魅力的かつコンパクトにまとめられており、見ているだけでワクワクできます。
また、自治体が主催するイベント情報も随時掲載されており、移住先を深く知るにもモッテコイの、おススメサイトです。
2 はじめての移住応援サイト_いいかも地方暮らし
国の地方創生の推進役である、内閣府などが運営するサイトです。移住の手引きなどが図解や動画で示されていて、地方移住の具体的な流れが分かりやすく掲載されています。
田舎暮らし特集などにより、移住者の生の声をロングインタビューで掲載しており、自分ごととしてイメージしやすいです。
ステップ3:情報収集を進めてみる
おおよその移住先のイメージが見えてきたら、次はより深く情報収集を進めてください。その方法として、以下を提案させていただきます。
①HPを活用
移住先の地域がある都道府県や市町村のホームページを確認してください。特に市町村の移住希望者向けのページには、その市町村の、移住者への想いが表れているはずです。必ず確認してください。
また、自治体によっては(今ではほとんどの自治体でそうですが)、移住者向けの補助金・助成金を用意していますので、そのような仕組みがあるかもチェックすると良いと思います。
自治体独自ではありませんが、東京圏に住んでいるなど一定の要件に該当する人向けに、国も地方創生起業支援金(地方移住の際、特定の業種で起業する場合、最大200万円の支援を受けられます)や地方創生移住支援金(特定の要件で地方に移住する場合、最大100万円の支援を受けられます)といった支援金を用意しています。リンク先で確認してください。
なお、上で少し触れましたが、移住支援金は、特定に事業への起業や、自治体の指定する企業等への就職を支援の条件にしています。支援金の支援を受けることを前提にしながら、起業の中身や就職先を具体的にイメージしても良いかと思います。
②イベントを活用
ステップ2でご紹介したサイトなどに掲載されたイベントには、移住希望者向けの大きなイベント(例えば○○フェア、と題したような、全国の自治体から担当者が集まり、その担当者から直接話が聞けるイベント)もありますので、情報収集の一環として足を運んでみては如何でしょうか。
いろいろな自治体のことを知ることができ、具体的な移住先を決める手助けになるかもしれません。
ちなみに、都心では、ご当地のお弁当や地場産品の販売なども併せて行われるケースが多いですので、純粋にイベントとして楽しむことも可能です。
気軽に訪れては如何でしょう。より移住への想いが強くなるかもしれません。
③相談窓口に相談してみる
移住に関し、いろいろな無料相談窓口が用意されています。ぜひ各種窓口を使いましょう。
例えば、先ほどご紹介した「ニッポン移住・交流ナビ」を運営するJOINでは、いつでも専門の相談員と相談できる「移住・交流情報ガーデン」を東京駅八重洲中央口4分の場所に設置しています。キレイなオフィスの中でゆっくり情報収集することが可能ですし、相談員さんも積極的に移住情報を教えてくれます。
また、移住希望先の自治体に具体的な相談をしてみてください。多くの自治体では、移住専用の相談窓口を設けています。
まずはメールや電話で相談しましょう。電話はハードルが高いと感じる場合、移住の窓口と思われる連絡先メールアドレスにメールすれば良いと思います。
なお、都内では移住関連のイベントを主催する自治体も多いですので、もしかしたら都内で自治体の担当者に直接会って説明を受けることができるかもしれません。
相談すべきこととして、住まいのこと、仕事のこと、お子さんがいる場合は子育て環境のこと、に加え、移住に際しての支援制度(例えば支援金はないか)などが無いかも、そっと聞いた方が良いでしょう。少し気兼ねするかもしれませんが、もし支援制度があるのでしたら、利用しないのは勿体ないです。
移住希望者向けの大きなイベントでも自治体担当者から直接話を聞くことができます。足を運んでみては如何でしょうか。
ステップ4:実際に訪問してみる
情報収集が進んだら、必ず移住希望先を訪問してください。
インターネットや自治体担当者との会話では、必ずしも町の全容は分かりません。その町の空気感を確かめ、自分のイメージとマッチしているかを確認しましょう。その際、予めチェックすることを決めておくことをおススメします。
例えば、学校や病院などの公共施設のほか、生活用品の購入場所、レジャーの場所など、幅広いチェック項目を用意していくと安心です。100%の場所はなかなか無いと思いますが、納得できる移住先なのか、チェック項目から客観視しましょう。
なお、自治体によっては、移住体験ができるような宿泊施設を貸し出しているところもあります。家族がいる場合には、移住体験も行い、後で家族内の齟齬(そご)が出ないよう、細心の注意を払った方が良いと思います。
ステップ5:住むところと仕事決める
生活するには、「住むところ」と「仕事」が欠かせません。
住むところは、町の不動産屋に相談して決めるのが一般的ですが、自治体では地域の空き家を「空き家バンク」として登録・管理しており、安価で借りることができるかもしれません。自治体のホームページをチェックしましょう。
このほか、JOINのサイトには空き家情報が掲載されていたり、以下のサイトのように、行政の委託を受けた大手賃貸業者が全国の空き家情報を紹介していたりしますので、必要であれば確認してください。
仕事については、先ほどもご説明したとおり、都道府県や市町村の紹介する仕事に就くと、国の地方創生移住支援金を受給することができる可能性もあります。
ステップ6:必要な手続き等を進める
ついに移住を決心したら、引っ越しの準備です。大きな家具などは新居に入らないかもしれません。新しい入居先をよく調べておきましょう。
いろいろな手続きを役所などで行う必要があります。
個人の住民票を移すほか、子供がいれば学校の転出転入の手続きが必要ですし、車を所有していれば登録変更の手続きも必要です。細かいことですが、銀行や保険会社、クレジットカード会社などに住所変更も必要でしょう(NISAやiDeCoの口座を設けている銀行への住所変更も忘れずに・・・)。児童手当の受給についても手続きが必要な場合があります。
さらに、会社を辞めて新たに起業する場合、社会保険の手続き(健康保険や年金)も必要となります。法人を起業する場合は法人設立の手続きを、個人で起業する場合は開業の手続きを、各役所(国の法務局・税務署、都道府県と市町村の窓口)に行う必要もあります。
このように、やることは多岐にわたりますので、チェックリストを作るなどして漏れのないようにすることをおススメします。
なお、情報収集した際に確認した補助金・助成金の申請を、自治体に申請することを忘れないようにしましょう。時間が経過すると申請できなくなる場合がありますので、十分にお気を付けください。
まとめ
これまでご紹介したステップを踏んで、しっかり情報収集しながら移住先を決めていけば、きっと相思相愛の移住先が見つかることでしょう。
改めてですが、移住先で素晴らしい新生活を送るために、十分すぎるほど情報収集してください。充実した移住ライフを送るには、事前の準備が重要です。
なお、ステップ6でご説明した手続きについては、かなり煩雑ですので、専門家に依頼した方が良いかもしれません。
特に、補助金・支援金の申請については、用意すべき書類が多いこともありますが、そもそも補助金等の制度があるかどうかも含め、行政書士などの専門家に依頼して調べてもらい、なるべく申請漏れしないことをおススメします。