地方移住者に対する【子育て支援策】が充実した地方自治体について

移住

コロナ禍を経て働き方が徐々に変わりつつある中、都会から地方へ移住する人が今後ますます増えることが予想されます。

一方、地方では、労働の中核的な担い手である生産年齢人口(15~64歳)の減少と少子高齢化の進展により、都会からの移住者を積極的に求めています。
このような状況ですので、地方自治体の移住者に対する支援、特に資金面での支援に積極的な自治体が増えています。

今回は、自治体による支援のうち、特色のある子育て支援の具体例について紹介します。

北海道 東川町(ひがしかわちょう)

  • 概要

切れ目なく充実した子育て支援

  • 具体例

「幼保一元化特区」による幼児センターの運営、

東川町は、1985年に「写真の町」を宣言するなど、地域活性化に率先して取り組んでいる自治体です。様々な取組により、全国の自治体が過疎化に悩む中、人口が伸びているなど、その成果が着実に上がっている先進的な自治体です。写真の町事業や子育て支援事業などの各種関連施策の実施により、平成26年に町の定めていた目標人口の8000人を42年ぶりに突破しました。
「日本一の子育て・教育の町づくり」を標榜しており、国の構造改革特区「幼保一元化特区」に認定されるなど、幼児教育の充実をはじめとした積極的な取り組みを行っているほか、切れ目のない子育てや学力向上の取り組みを進めています。

参考:北海道東川町教育委員会「日本一の子育て・教育の町づくり」

参考:HAGUKUMU

山梨県 身延町(みのぶちょう)

  • 概要

充実した子育て支援に関する情報発信

  • 具体例

「身延町子育てサイトNOBINOBI」の運営など

身延町は、保育料無償、中学生まで給食費・修学旅行費・校外学習費全額補助、高校生まで医療費・町営バス無料等、子育て支援制度が充実しており、そのことを広くPRするため、令和2年に「身延町子育てサイトNOBINOBI」を開設し、子育て世帯への情報発信力を強化しています。
サイトは、年齢や目的で簡単に検索できるようになっており、他の自治体のサイトと比較し、非常に使いやすいデザインです。
また、単なる助成の紹介だけでなく、例えば「子育てカレンダー」で親子交通安全教室の開催を案内するなど、育児する家庭に届けたい情報を総合的に公開するサイトとなっており、ほかの自治体でも作ってほしいような取り組みです。

参考:身延町子育てサイトNOBINOBI

北海道 上士幌町(かみしほろちょう)

  • 概要

移住から定住ではなく、定住から移住に繋がるまちづくり

  • 具体例

認定こども園の無料化など、各種助成が充実

「移住から定住ではなく、定住から移住に繋がるまちづくり」をコンセプトに、子どもたちが帰ってきたいと思えるまちづくりをする中で、結果として移住に繋がる町を目指しているようです。
ふるさと納税を活用し「子育て少子化対策夢基金」として積み立てた上で、平成27年に定員120名の認定こども園「ほろん」を開園しています。そしてその翌年には、同園に通う子どもの保育料を完全無料化しています。
また、高校生までの医療費の全額補助や、住宅購入の助成として子供一人につき100万円(複数の子どもがいれば助成が加算される)をサポートする等手厚い支援を行っています。
「子育て少子化対策夢基金」の活用や残高などを公表しているのも特徴で、町の外からも信頼されながら子育て支援の取り組みができています。

参考:子育て少子化対策夢基金

参考:認定こども園「ほろん」

石川県 かほく市

  • 概要

子育てサポートの充実

  • 具体例

子育て世代に選んでもらえるまちを目指した充実のサポート

様々な子育て支援制度を設けるとともに、若い世代に関心を持ってもらえるよう、移住定住ホームページ「ほっくほくかほく」を運営し、市の魅力や支援制度をまとめて掲載しています。
子育てにかかる費用に対して、新生児1人につき、共通商品券3万円分を出産祝品としてもらえるなど、資金面でのサポートも充実しています。
また、「子育ての手助けをして欲しい人」に「子育てのお手伝いをする人」(保育ママ)をお世話する仕組みである「かほく市ファミリーサポートセンター」を設けています。
加えて、子育て世代のため、一日中親子で過ごすことができる施設「こども総合センター「おひさま」」を設けており、子育てに関するさまざまな相談や情報提供のほか、親子向けのイベント情報も随時提供する等、充実した子育てサポートにより定住促進にも繋がっているようです。

参考:かほく市定住促進ホームページ

参考:子育てサポート/ほっくほくかほく

徳島県 神山町(かみやまちょう)

  • 概要

教育環境の充実を含めた子育て支援

  • 具体例

教育・子育てや住まいについて幅広い支援メニューを展開

医療費助成、病児・病後保育、保育料の無償化等の子育て支援や、空き家改修事業補助金、空き家利活用改修事業補助金等の住まいに関する補助金制度が充実しています。
特に「学生サポート」として、「小中学校入学準備金として児童一人当たり3万円を助成」「公共交通機関の定期券購入の2分の1を助成」などの資金面での支援に加え、中学生を対象に学習塾より講師を直接派遣して学習支援を実施する「神山地域未来塾事業」など、特色ある仕組みを導入しています。
珍しい取組として、クラブ活動に要する費用について、中学生を対象に一人あたり月額1,000円を補助する「体育・文化活動費補助金」というものや、国・自治体及び教育委員会が主催または後援する文化活動・スポーツ大会で、予選等を経た四国大会以上の大会への参加した場合に1万円の交付が受けられるといったものもあります(小中学生が全国大会へ出場の場合は2万円)

参考:神山町の支援制度

まとめ

特色ある子育て支援を行っている自治体を取り上げました。

深刻化する少子化への対応に迫られている地方にとって、都会在住の子育て世代の移住は希望の星です。子育て世代に移住先として選んでもらうため、住居への支援を充実させている自治体も増えてきています。

ぜひ各自治体の支援策も踏まえながら移住先を検討してください。

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